四国八十八 札所のご紹介【第9番】
   
  

 四国八十八箇所霊場の第九番札所は、法輪寺(ほうりんじ)。徳島県阿波市土成町土成字田中にある、本尊が釈迦如来(涅槃像)の高野山真言宗の寺院です。八番札所から約2.6Kmのところにあります。

 弘仁6年、巡錫中の弘法大師が、この地で白蛇を見つけ、白蛇は仏様の使いであることからここにお寺を建立し、釈迦の涅槃像を彫造し、本尊として寺を開基したとされています。このときの山号は白蛇山法林寺でした。

 涅槃釈迦如来像は、頭を北に、顔は西に向け(頭北面西)、右脇を下にして涅槃に入られ、周囲には悲歎にくれる大衆の姿が刻まれています。

 永禄12年、長宗我部元親は、土佐一国を平定し、やがて四国を平定して、京に上がる意思を持ち、まず攻めたのが阿波でした。天正3年に大西城(三好郡池田町)が落ち、そして拠点であった守護所の勝瑞(板野郡藍住町)が落城したのは、それから7年後のことでした。

 この戦乱で寺々は兵火にあい、そのほとんどが焼失してしまいました。法輪寺も時堂宇を焼失しましたが、天保年間に山号を正覚山法輪寺に改め、現在地に再建されました。

 本堂には、不治の難病が全快した山口庄太郎という遍路の感謝の奉納額があります。

 





 
めぐりやすい八十八ヶ所 四国へんろ
(出版社:満願寺教化部刊)
より引用させて頂いております。

     
     
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